COLUMNCOLUMNグーフィ森の『Single Speaker』

Single Speaker Vol.33 「事件、事件。初夏の大事件です!?」  

2016-06-07

先日驚くべきことが自身の体に起こったのです! 私事で申し訳ないのですが、聞いてください。
起床すると突然視力が戻っていたんです!! しかもです、その日は半年に一度の眼科検診の日。なんともじつにドンピシャな日に起こった大事件です!? 今まで0.1すらなかった視力が、なんと驚きの0.6。相変わらず複視(一個の物体が二個に見えること。眼筋麻痺中枢性脳疾患などが原因で起こる)と眼振(無意識に起こる律動的な眼球の往復運動)があるので見にくいには見にくいのですが、今までとは比べ物にならないんです。なんたって、今まで見えなかったものが見えるようになったのですから! 

ボクが通っている眼科医院は御茶ノ水の高層ビルの19階にあるんです。評判の神経眼科のあるこの眼科医院の待合室はそれは立派で、眼下には東京ドーム、そして展望台のように大きな窓の正面には東京スカイツリーがドーンと鎮座するという、それは“豪華!?”な待合室なんです。ところがボクの目にはそんなものは見えてなかったんです。弱視の上に複視に眼振、その視界から見えていたのは、強い地震の時のお天気カメラ映像のような、何が何だかわからないブレブレ映像。そんなですから、どれがスカイツリーなんだかさっぱりわかってない残念な状態だったんです。

が、です。これといって特別な治療を施したってわけでもないのに、朝起きると突然ですよ!? 目覚めると、「天井のライトってこんなヤツだっけ?」と妙に視界がクッキリしていることに気づいたんです。それが決定的となったのは、その数時間後にこの医院の待合室に来た時です。スカイツリーがドーンとボクの視界にいたんです!? ウソだろ~、まさかまさか、どないなってんねん!? 驚愕するとはこのことをいうんでしょう? そして小声で奥さんに「今日は、なんだか目がよく見える。スカイツリーもよくわかる」、「ウッソーー!!」その後視力検査。眼振さえなければ視力1.0くらいは軽くいってるんじゃないかという勢いでスイスイスイっと。ほんとウソのように見えるのです! 診察室に入ると担当医(女医さん)の第一声が「で、いつから!?」もう何が何だかわからないらしい・・・いやいやいや、じつに愉快。医師のような知的生命体を仰天させるのは思いのほか愉快愉快。

それで、スカイツリーなんですが、あまりカッコよろしくないですね~。好きじゃない。今さらそんなこと!? とおっしゃいますな。スカイツリーが完成したのはボクが大病を患って以降のことですから。ちゃんとした形を知らなかったんです。ボク、断然東京タワー派です!?

しかし東京は高いビルが増えましたねぇ。8年間の浦島太郎はその変貌ぶりに驚くのです。街はビッシリ、高層ビルがあちらこちらにニョキニョキ伸びてます。ボクにとってこの街の8年間はそれは長い空白の時間になってしまったような気がします。だけど東京はそんなボクを待ってはくれません。とてつもないスピードで時が流れます。なんだかちょっと置いてきぼりにされちゃった感じ。スカイツリーをボヤッと眺めながらそんなことを考えてしまいました。「早かったなぁ、8年。長かったなぁ、8年」そう呟きながらね・・・。
そして、こんなことも考えました。こんなに地表がゴチャゴチャして、争うように上へ上へと背伸びばかりしていると、いつか足元すくわれちゃわないかな、なんて達観したようなことを考えてみたりして・・・。しかし、見えるってホントいいですねぇ。

さ~て、視力の次は、音楽人として狙うは聴力のビックリな回復という珍事でしょうか!?

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