COLUMNCOLUMNグーフィ森の『Single Speaker』

Single Speaker Vol.34 「祝 開眼記念 トピックス!」 

2016-07-20

驚きの視力回復劇から初のコラム執筆です。
人間とは本当に欲深き生き物ですね。視力の次は、聴覚なのかかつて得意とされていたお喋りなのか、はたまたなりよりも大好きな食べること、そうです、食事機能の回復なのか… あ~ぁもう、あれこれ欲望&妄想がドンドン加速してまいります。アハハッ!?
で、今回は、今までとは趣向を変えて、せっかく視力が劇的に回復を見せたので、世の中をぐるりと見渡して、ちょいと気になるトピックスから……。


●世界が驚いたパワーアップのレシピ !?

なんたって英国がEU離脱という信じ難いニュース。ボクの視力回復は、イギリス人の正義(?)と引き換えだったのではと思ってしまうほど、の驚きでした(随分と勝手な思い込みですけど!?)。その後のニュースを見ていても、離脱に投票した人たちまでもが「まさか !?」を連発。そりゃないでしょって話ですが、このゴタゴタは当分あとを引きそうですね。というより、ドミノ倒しのようにEU離脱の連鎖を生みはしないかと、ビートルズに出会ってから、自分はリバプール育ちだと信じ込んでいる妄想野郎(!?)は自国のことのように心配なのです!

などと申しておりますと、なんと英国にサッチャー首相以来の女性首相が誕生、そしてそして離脱派の旗手ボリス・ジョンソン氏が外相に就任してしまいました。う~ん、最近、世の中のスピードは、何をするにも亀の歩みなボクにとって、ちょっとスピード違反じゃないかと申し立てたい(!?)くらいのスピードです。

話を戻しましょう。
英国EU離脱劇を横から眺めていますと、あることに気づいたんです。EU離脱を煽りに煽ったボリス・ジョンソン氏や英国独立党の元党首ファラージ氏、この2人の演説には同じリズムを感じるんです。同じ演説の手法があるように思うんです。“不満+不安”、これは聴衆に負のパワーを注入するとされている法則、今的に言うなら“負の足し算レシピ”といったところでしょうか。これはシュプレヒコールなんかにはそりゃもう最適・最強の法則です。「景気は一向に良くならない、なのに物価は上がる一方、だから生活費もバンバン膨らむ、なのに給料はずーと横ばい状態。養育費、教育費だって上がる一方でバカにならない。こんな状態で将来年金もらえないってことになったら、どうします!? 暮らしていけますか!?」と、こんなところでしょうか、足し算レシピは。でも、ジョンソン氏とファラージ氏はこの法則じゃないんです。もっと強力なんです。足し算レシピの+(プラス)をその持ち前のトークパフォーマンスで45度傾けちゃってかけ算レシピにしちゃうんです。つまり“不満×不安”というかけ算レシピです。これ強力です、負のパワーが炸裂しちゃいます!

ボクは、この“負のかけ算レシピ”こそが英国のEU離脱派の大きな躍進力(?)となったんじゃなかろうか、なんてことを思ってます。とすると、米国も心配ですよね。トランプさんはかけ算どころか、自乗しちゃうほどのパワーの持ち主ですから…… !? 


●北欧スウェーデンからやってくる音楽配信の黒船。

今秋ついにストリーミング音楽配信サービス世界最大手、スウェーデンのスポティファイ(Spotify)が日本上陸とのこと。これでコマは大方出揃ったというところでしょうか。どうなるんでしょうね、これから日本の音楽市場? 変わっちゃうでしょうねぇ。間違いなくCDを中心としたパッケージの販売市場は格段に縮小していくでしょうし、オーディオの在り方なんてのも様変わりするハズです。5、6年もすると、「CDってなんですか?」なんて若者が出現する時代がそこまで来ているってことでしょうか。う~ん、20世紀、つまり1900年代後半に汗して“お皿”(レコード&CD)を制作していたボクらにとっては、なんだかちょっと寂しいような……。

1980年代半ばあたりから、音楽の制作現場はものすごいスピードで変化してきました。コンピュータ機器の導入などによる音楽のデジタル化の波がドーッと押し寄せ、そのBig waveにスマホを持ちながらも心はいつまでもガラケーという音楽産業界の大人たちはこれまたドバーッと流されてしまったわけです。そこへ来て北欧から黒船の来航です。これで音楽産業界の再編はまたまた加速度が増すことになるんですかね。音楽産業の再編ってことは、簡単に言うと整理整頓が行われるってことで、また断捨離合戦が音楽業界のいたるところで勃発するってことです。そうなるとその身を案ずるのは、やはりアーティストたち音楽人のことです。
昨今、音楽人は儲からない商売になってきました。CDなどのパッケージは驚くほど売れなくなりました。ライヴに出演しグッズを販売する。余裕があればフェスを企画したくさんのオーディエンスを集め多くのグッズを販売する。そう、どこまで行っても足し算商売の延長線上にあります。それが今の日本の音楽業界の現状でしょうか。パッケージ商品がバカスカ売れ、タイアップがジャンジャン飛び込んでくるなんて時代はしばらくやってきそうにないのですから……。足し算商売の地道な積み重ね、その先に待っているだろう新たなる音楽ビジネスの方程式を待つよりないのです。だからと言ってそのこと全てを、若いアーティストたちに押し付ける気は毛頭ありません。あまりに漠然としているかもしれませんが、アーティストは“いい曲”を書き、“いいパフォーマンス”をしその結果、とても大きな足し算ビジネスの中にいることになっていくはずですから! そして、もしかすると、その成功が新たな音楽ビジネスの扉を開くきっかけになるかも、新たな音楽ビジネスの方程式を導き出すかも。

少しばかり話が大きくなりすぎました。おじさんの悪い癖です。そうでしたそうでした。スポティファイ上陸の話でした。音楽は定額ストリーミング配信の更なる普及で、より身近により手軽に音楽を楽しめるようになっていくはずです。しかし以前にも言いましたが、“手軽さは希薄さへと向かう”という方程式がどうやらどの分野でも存在してきているようなので、どなた様もご用心あれ!


●まるでスマホゲーム、不思議な足し算レシピのクルマ!?

先日アメリカのテスラモーターズから「こ、こ、これは !?」というニューモデル『Model S60』が発売された。先に発売されている『Model S』から各種機能を外した低価格モデル言わば廉価版のようにも感じるのだが、さすが天才イーロン・マスク率いる電気自動車メーカーのやることはちょっと違う。これまでのクルマの概念からは考えられない仕組み(システム)が投入されているのです。「Autopilot(自動運転機能)をつけたい」「ナビをつけたい」「バッテリー機能をアップしたい」こういったグレードアップがしたいのであれば、数行のコードを入力しアップデートのキーを押すだけでOKだというのです。ディーラーへ行く必要は全くなし。アップデートのキーを押すだけ。つまりはこういうことだ。オプショナル装備は初めから全て装備されている。しかし大半が機能をロックされているんです。その機能を動作させるにはロック解除のキーを入力、そしてアップデートキーを押す必要がある。これ、お気づきだろうか!? そう対戦型スマホゲーム の『アプリ内課金』とまるで同じやり方。
最初ゲームは無料でダウンロードできる。そしてゲームを進行していく中でドンドン攻撃力アップの様々なアイテムを入手し、それが課金されていくあのパターン。う~ん、クルマまでスマホの親戚(!?)かぁ。ゲームに夢中で、気付くと支払いがとんでもない額になっていた。スマホゲームでそんな話をよく耳にしましたが、価格の大きなクルマですから、その辺のところの対策は十分練ってあるでしょうね!?

そういえば、ボクの友人の電動車椅子はスマホにリンクさせ遠隔操作ができます。そんな時代なんですねぇ。

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