COLUMNCOLUMNグーフィ森の『Single Speaker』

Single Speaker Vol.35 「スマホな生活って!?」  

2016-08-04

前回のトピックスで紹介できなかった話題から。
夕方のニュース番組で、スマホ依存症蔓延中 要注意といった世の流れに、6月半ばTwitterに上がった異論を唱える投稿がネット内で大注目になっているという話題を取り上げていました。番組の出演者たちのトークが異常なまでに盛り上がり、まさに“旬”な話題といったところでしょうか。

その話題の投稿とは、写真を使い『1980s 電話+オーディオ+カメラ+本+電卓+テレビ+VTR+ゲーム=2016 スマホ』と主張。この写真に「最近の若い人はスマホをやってる時間が異常に長い。依存症である。みたいな議論は嘘だと思うな。要するにこういうことでしょ?」というコメントが添えられている。なるほどなるほど。番組の中では喧々諤々、賛同する若手と異論を唱えるベテラン出演者で意見は真っ二つに。な~んか日頃いたるところで勃発してそうな話だなと思って見ておりました。

ボクはこう考えています。
確かにスマホはスゴいデバイスです。便利なツールです。そして、星の数ほどある多種多様なアプリをダウンロードすれば、その機能性&可能性は無限の広がりを見せます。新しモノ大好き少年(?)のボクですから、まだ視力が復活もしていないうちに早々とスマホを購入してしまいました。アップルフリークにしてS・ジョブズ信者なら当然のことです!? なんたって、ジョブズの置き土産とされてますからね、iPhoneは。
そんなアップルフリークのボクですが、スマホ依存症と呼ばれている人たちにはちょいと“物いい”がありまして。まずTwitterの意見ですが、正論の一つだとは思います。確かにスマホはオール・イン・ワンの素晴らしいツールです。しかしそのオール・イン・ワンだからこその落とし穴が存在しているようにボクは思うんです。

こういうことです。1・2メートル横でスマホをやっている人がいます。さて何をやっているのでしょう? そうです。そうなのです。覗き込まない限り全くわからないんです。イヤホンでもしていようものなら、音楽を聴いているのか電話をかけているのかニュースを読んでいるのか、はたまたゲームをしているのかさっぱりわからない。スマホに入り込み、時に笑みすら浮かべたりする。やっぱりちょっとです。一心不乱になにかをやるというのは“時にキモい / 不気味っぽい”ということになったりします。“スマホな生活”ばかりを送っていると、人とのコミュニケーションがますます希薄に、そして苦手になってしまわないですかねぇ。心配なのです。気になってしょうがないのです。
「最低限のマナーは守ってるヨ。何が問題なの!?」そうです。そうなのです。こう反論されると困るのですが、でもやはりそうではないのです!? 
話を分かりやすくするために、ちょいとタイムスリップにお付き合いください。

「テツヤーッ! ウルサイ~ッ! 下(1階)まで聞こえるぞーッ!」これ中学時代のボクの日常の1コマです。この頃は暇さえあればビートルズにボブ・ディラン、CSN&Yにストーンズetc. と洋楽Rockのオンパレード、毎日のように爆音でヘビーローテーションでした。翌朝、隣の自転車屋(今的にはサイクルショップ)のオッチャンと顔をあわせると「昨日はすごかったなぁ~!?」とチクリ。左隣の文房具店のオバちゃんは「ホンマにうるさかったでぇ~!!」とガツン。しかし、この関西弁のチクリとガツンはともにニコニコの笑顔だったことを覚えています。とまぁ昭和40年代半ばのことですから、『三丁目の夕日』のようなスローな時代のセピア色の想い出です。しかしまぁ、今振り返るとボクのRock好きは、ボクの家族をはじめご近所中が知ってたことだと思います。そして張本人のボクもRock爆音ヘビーリスナーっぷりが家族、そしてご近所中のあったかい理解の上にあるんだってことは十二分理解していたつもりでいたような……。その分ご近所とは、いつも仲良しにしていたような……(エヘッ?)。

こんなコントをTVでやっていました。
カフェにカップルが入ってきました。二人ともスマホに夢中で会話がありません。「オレ、これ」「私、これ」注文を済ますと二人はまたスマホに夢中。ずっと無口でスマホに夢中。注文が届くと、食べながら二人無口でスマホに夢中。食べ終わると「行こうか?」「そうね」とカフェを後にし、歩きスマホに夢中な二人は街へと……!? ん~ん、やっぱりこれじゃぁちょっと寂しくないですか!? 

「別にぃ、誰にも迷惑かけてないしぃ~」ってシャカシャカ鳴ってるイヤホンのスマホ少年にそう言われてもねぇ。セピアな想い出を持つオジさんはちょっとムカッときてしまうことがあることを覚えておいてください!? そしてボクはこうも思うんです。その少年が日々どんな音楽を聴いているのか、好きなアーティストは誰なのか、なんてことは、ご家族もそしてご近所も当然興味ないんでしょうねぇ!? オール・イン・ワンの優れものデバイス(スマホ)で全てが事足りてしてしまう機能的かつ合理的生活。IoT社会(Internet of Things / あらゆるものがインターネットを通じてつながる社会)はますます進み、スマホ1台あれば、たいていのことはOKとなり、巷は先のカフェのカップルのような状態になってしまうのでしょうか!? セピアな昭和の想い出を持つボクとしては、ちょっぴりさみしいような、残念なような……。時代の変遷の中にこそ青春があったような世代のボクがそう思うのです。そんなボクの心のザワザワ、察して戴けるでしょうか。

と亀の歩みで書いていると、『ポケモンGO』が日本上陸。あっという間に全国に拡散。スマホをやっていると「なにやってるの!?」ではなく「ポケモンGOやってんの!?」になってしまいました。アハハッ!?

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