COLUMNCOLUMNグーフィ森の『Single Speaker』

Single Speaker Vol.37 「そんなに甘い話はある!?」  

2016-10-20

国連の機関WHOが砂糖を含む飲料水に課税をすることで、糖分摂取の効果的な減量を促すことができる、という推奨案を発表した。それほど肥満、糖尿病といった疾患が国際的に問題視されているということなのか。さぁて、根っからの甘党のボクは、このトピックをどう解釈しよう??? 健康志向はありがたいことだとは思うのですが、過敏すぎる反応が出ないことを祈りたい!? 課税商品につき値上げしました! という便乗の文言が至るところで踊るってことにはなりませんよう…。 

甘党なボクは、実に残念なことにお酒が飲めません。1980年代は4大陸を東へ西へ、北へ南へと飛び回っておりましたが、その頃、非常に残念に思っていたことがありまして、それがお酒が飲めないということなのでした。なぜって、どこの国へ行ってもその地の美味しい地酒はあるでしょ。それを味わうことができんないんですよ。もったいないったらありゃしない!? それに、現地スタッフや出会ったその地の人たちとのコミュニケーションツールに、お酒ほど強い味方はないんです(ある意味武器なのかもですが)。旅の楽しみが俄然広がるに決まっているじゃないですか。海外へ足を運ぶたびに、お酒が飲めないことをどれほど悔んだことか! 

海外へ出かけ、甘党だったからこそ得をしたことなどほとんど記憶にないのです。
「よ~く来たな。俺が作ったマシュマロだぜ。好きなだけ食いな!!」と髭面の大男のようなオジさんがバケツのようにでかいカップ山盛りのマシュマロを…と、その横で奥さんだろう女性が「ホントよく来たわ。これ、私が焼いたんだけど…」と直径1メートルはあろうかというアップルパイを抱えている。…なんて甘党冥利に尽きる体験(!?)は幾多の渡航経験で1度もありません。世の中そう甘くはないようです!?

世界中に出掛け、いろんなもの(料理やお菓子)を食べましたが、ざっくりとこんな感想を持っています。
手の込んだ“美味しさ”は、先進国というかやはり文化レベルの高い地に求めるべきものです。かといって新興国や発展途上の国には美味しいものはないかというと、そうじゃないんです。素朴の中にこそ存在する“美味”があるんです。そのことに気づくと、美味いものを見つけ出す鼻はどんどん効率よく働くようになります。俗に言う“鼻が効く”ってことになるんです。地の果てパタゴニアで、やっとのことたどり着いた小さなレストランで食べたパンプキンパイは、現在でもまちがいなくベストワンです。パプアニューギニアで出されたコウモリ入浴中!?と笑うよりないスープはさすがにウマイとは言えませんでしたが、そのあと出された蒸したタロイモをもちのようにした料理は本当に美味しかった。こうやってあれやこれや経験して“鼻”はその精度を増していくのです。
余談になりますが、その頃こんなことをよく言っていたことを思い出しました。「人はうまいものを口に含んだ瞬間目を閉じる。まずいだろうものを口に運ぶ時も目を閉じる。う~ん、なぜなんだろう?」
あなたは、食事の時、どれだけ目を閉じましたか? 閉じた回数が多い人ほど、きっとあなたの鼻は効くはずです!!

話を戻しましょう。甘党冥利につきる話はそうそうにないって話でしたよね。そうなんです。ボクは風態に似合わない(?)甘党で、しかも“和モノ”が大好物なのです。ベスト3が和三盆の“お干菓子(ひがし/落雁)”、“丁稚羊羹”、“おはぎ”と、もう根っからの和モノ党です。チョコレートファンの皆様、ご安心ください“チョコ”は第4位にランクインです…。とまぁこんな具合です。ゆえに昔から、なかなかドンピシャなお土産&届け物を頂いたことがなかったのです。ベルギーの高級チョコレートだったり、銘店のずっしり重いモンブランケーキだったり… もちろん、それらも大好きですよ。ですが、ど真ん中ストライクじゃないんです。練り物の京菓子なんてのが届いた日にゃぁ人生バラ色ですよ。ドンピシャストライクな届け物なんてそうなかなかないもんなんです。

ないと言えばおいしい和菓子のお店。有名パティシエのスィーツの店においしいジェラートの店、ホットケーキではなくパンケーキ、それにあれやこれやともう洋風ばかり。世の女子たちは、和モノは得意じゃないんでしょうか?(おいしいアツアツのたい焼きなんてのもいいんだけどなぁ!?) 女子のアンテナが動くとドッと世の中動きますから…甘味和モノよろしくどーぞ ! 

そうだ !! よろしくどーぞと言えばアメリカのスイーツというかお菓子、あれどうにかなりませんか!? 甘党のボクが言うんです。甘すぎです!! 先にも言いましたが、通常先進国社会の食べ物(料理 スイーツ等)では繊細な美味がたくさん存在するはずなんです。大都市部のLAやニューヨークなどではその通りだと思うのですが(ボクがよく米国に行っていた80年代はね)、地方の田舎の町へ行くと米国は甘味の牙をむくのです。ありえない、信じられないの連発。“ウッソー!!”と口にした途端、ありったけの驚きでその甘味を受け取らねばならないチョコレートやケーキなどが山ほど存在します。国民の6割近くが肥満というのもひどく納得です。

“信じられない”なんてこと言ってたら、太った姿なんて想像すらできない、いやそんなこと言ったら失礼になる“神様”がノーベル賞受賞!! ニュース速報の文字が踊ります…。ボブ・ディランがノーベル文学賞に決まったとノーベルアカデミーが正式に発表したそうです。“ウッソー!!” 心臓がバクバクします。ディランファンの皆様落ち着きましょう。これは事実です。現実です。本当です!! “キャハーッ”生きてるもんですね~。焦がれたアーティストがノーベル賞。少し大げさかもしれませんが、自分も歴史の1ページに貢献できたんじゃないかな、なんて今感慨に耽っております。自身のFM番組に寄せた、ディラン ノーベル賞受賞に向けたボクのコメントです。彼に教わった全てがこの中にあるように思っています。
『人は、彼の曲をプロテストソングだと言う。人は、彼の詞を難解だと言う。そして人は、彼の歌を哲学的だと言う。どれもが正解だと思う。彼の楽曲は、ピカソやミロの絵画のように、聴いた人が感じたまま、想うまま、それこそが全て真実なんだとボクは思っている』ディラン、おめでとう !!

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