COLUMNCOLUMNグーフィ森の『Single Speaker』

Single Speaker Vol.61 『改めまして、ごあいさつ』 

2019-05-27

いやいやいや、やっと退院しました。あっという間に3月の誕生日も迎え、63歳になりました。そして63歳にして思わぬ初体験。お腹にメスを入れ、グチュグチュお腹の中にカテーテルを通したのです。これがねぇ、久方ぶりの手術で、でもってお腹というのは初めてのことです。局部麻酔だったので視聴覚はバッチリ。だからして病室~手術室~手術の模様、これがボクの視聴覚で完全生中継(笑)。

手術室に向かうストレッチャーは “大丈夫かい?” というくらい丈足らず。頭半分、足先半分が飛び出した戦闘状態で手術室へ突入しました!! 「今日、手術を担当してくださる〇〇大学病院の〇〇先生です。ボクなんかよりは百倍凄腕の先生です」って、ボクの主治医がいきなり紹介してくれました。ボクより百倍ってそんな主治医は下手なのかな?と思ったのもつかの間。「では始めます」。直後に過去に経験したことがないほどの激痛がお腹に! エーーッ!? その凄腕医師が「アッ、まだ麻酔効いてないか」。ウッソ~〜!!! マジ~~??? こんなえげつないところからボクの初ハラキリは始まりました。執刀医が2人、看護師のアシストが4人、なんとも豪華な布陣だったようです。流石、〇〇大学病院の凄腕先生。と思っていたら〇〇先生が他のスタッフに対し、お腹の中に指を入れながら「え~、これが膵臓ね。で、その横を這わせて腎臓側に回していきます」。とこんな感じで実践授業のようにボクの手術は進行します。

「昨日さ、シャツ買ったのよ。それが高いわけ。AEON(イオン)だよ、もう信じられないくらい高いわけ、まるで高級品扱い。そんな時代なんですよねぇ」「まぁ、先生らしくない」。そんな世間話がボクのお腹の上で始まりました。まぁそんな日常会話が出来るくらいですから、そう難しい手術ではないんだなと妙に落ち着けたのを覚えています。ただ、お腹の中をグルグル触られているというか、もうとにかく変な感じなんですよ。これでもう少し耳が良ければグチョグチョと腹わたかき回してる音が聞こえるんだろうな!! なんて妙に他人事のように感じていました。1時間半の実に不思議な体験でした。自身の内臓をこねくり回されながら世間話(?)を聞くという…、人生初の体験でした。あるもんだね~、まだまだ人生初ってのが。

そしてその延長線上に上がってきたのが食事問題。当初は腎臓の数値が芳しくないことでの検査入院だったので、それなりの食事制限は覚悟はしていたのですが、完全にギブアップでした。毎回これでもかといった量の軟飯に申し訳程度のおかずが2品、これで延々です。おかずがあまりに少ないのでどんなに工夫して食べようとも、最後は味のない冷めた軟飯の山に立ち向かわなければならなかったのです。見兼ねた奥さんが、“ふりかけ”くらいつけてあげてください!! との助け舟(天の声)を出してくれたので、なんとかその後の食事制限地獄を乗り切ることができました。こんな辛い体験した人はたくさんいらっしゃるんでしょうね。ご苦労様でした。
でもってこの食事制限のお陰もあってか15kgも痩せました。びっくりするほどスリムになりました。思わぬご褒美(?)とでも申しましょうか。冷めた軟飯の呪縛からすっかり解き放たれた気分です。なんとも結果オーライな話か。

しかし結果オーライじゃなかった…。このカテーテルをお腹に入れた影響で、なんとびっくりすほどの便秘に襲われてしまいました。出ない出ない、あぁ〜〜出ない。これが苦しいのなんのって。で、便秘を解消するために下剤投入。これがまたすごいのなんのって。滝のごとく…(失礼!)。あまりに酷いので今度は止める薬を投入。で、またまた便秘。で、また下剤投入。この繰り返しを延々に続けます。ボクはこの新たな呪縛から逃れられないのか? と疑心暗鬼になりながらの今日この頃です。 気づくと外はもう初夏の香り、カラッと暑い日差しが照り出してきました。ボクのお腹もそろそろそうありたいものです。

しかしなんですねぇ。体調がどんなに優れなくともお腹の調子が悪くないのであれば、なんとか不調を乗り切ることができそうですが、どうにもお腹に力が入らない…。いやぁ、地獄の日々が続いております。何かよきアドバイスがあれば教えてくださいませ!!


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