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グーフィ森のSingle Speaker

プロフィール
1956年、京都府生まれ。大阪芸術大学卒業。雑誌「ポパイ」「ターザン」などの編集を手掛け、フリーランスのエディターとして活動。
その後、音楽・映像のプロデューサーとして様々なアーティスト(今井美樹・喜多郎・福山雅治など)、並びにイベント、商業施設、CM等を手掛ける。
また、MTV JAPANの創立時の総合プロデューサーでもある。
編集者の経験を活かした多角的な視野から構築されるプランニング&プロデュースで数多くの作品を送り出している。
2008年夏に脳幹出血により倒れ一線から身を引き、ただいまリハビリ奮闘中である。
そして自身がプロデュースするラジオ番組もオンエア中!番組詳細はこちら

2014-03-03
Single Speaker Vol.8 「いい音って!?」 
昨日、ケーキのモンブランを買ってきました。自他共に認める甘党、しかも本来は和菓子党なのですが、モンブランは昔から大好物。やっぱり美味しい! 食べ終わる頃に「はて、モンブランて黄色じゃなかったっけ!?」と疑問が湧きネットで調べることに。モンブランはイタリア・ピエモンテ州の家庭菓子を原型とし、パリの老舗カフェ「アンジェリーナ」がクリームをメレンゲの上に搾り出した形に発展させたもの。元々は形の崩れたマロングラッセの再利用法として考案されたケーキだそうです。それを栗の甘露煮でマロンクリームを作り日本版としたのが黄色いモンブランで、それが全国に普及したのです。だからボクの記憶の中には黄色いモンブランこそが“ザ・オリジナル”。でも食したモンブランのようにほのかなブラウンのマロンクリーム版の方がオリジナルのようです。そう考えていると、先日いただいた「グーフィさんにとっていい音ってどんな音ですか?」という質問を思い出しました。

音楽や音というものは、趣味嗜好というか好みによる判断に委ねられるところが大きいものです。当然、その時の環境やメンタルにも大きく左右されるものですから、一概にこれがいい音と決めつけられるものではないと思います。下の写真のモンブランと一緒に映っているスピーカーが長年ボクが愛用しているウッドコーンのフルレンジ・スピーカーです。高価なものではなく民生機(一般向け)です。以前は高価な北欧製のプロ用スタジオモニターをイギリス製のアンプで駆動していたのですが、あるとき憧れのマスタリングエンジニアと仕事をした際に、「グーフィさん、音の最終確認はやっぱり民生機でもやんなきゃ!」と言われて目から鱗でした。確かにボクたちは仕事柄、何百万円いやいや音響効果を考慮したスタジオの造りからすると数千万円、ヘタをするとウン億円かけられた音を常々聴いているわけです。当然素晴らしく“いい音”です。しかし、そこでバランスだの音質だのを過敏に考慮して製作しても一般のリスナーはラジカセだったり安価なシステムコンポだったり、今ならスマホで再生して聴いているわけです。自ずとそこにはいろんな意味で大きなギャップが生まれてしまいます。確認のために一般リスナーが聴いている音でも最終確認をした方がいいのではないか、と言うのがそのマスタリングエンジニアの巨匠の教えでした。その話を聞いたときから、その巨匠が最終確認用のモニタースピーカーとして使っていたウッドコーンのフルレンジ・スピーカーがボクの愛器となりました。

若い頃はパワフルで輪郭のはっきりした音が好きでした。まぁ、昔で言うドンシャリ的な音です。高音と低音がパワフルでエッヂが効いた音というやつですね。大人になって柔らかく優しいそして音の定位のはっきりしたスピーカーの音が好みとなってきました。聴く音楽の変化によって“いい音”の概念も変化してきたと思います。若い頃は脂ぎった濃い味のものを好んで食しますが、年をとってくるとあっさり派の和食党になっていくようなものですかねぇ。

近年、アナログレコードが欧米の若者の間で大ブームらしいのですが、CDのようなデジタル音源が生まれたときには「やっぱアナログの音の方がいいよね!?」と懐古的な意見が続出しました。で、デジタル配信が始まると「CD音源の方がよほどまともだったよね」と、これまた懐古的発言が続出。かと思いきやアナログレコードのブームです。この堂々巡りはとうぶん続きそうな気配!? そんな中でボクは近年日本の家電メーカーが力を注いでいるハイレゾの音源にちょっと期待を寄せています。デジタルの音の精度とアナログが持つ空気感(臨場感)を合わせ持つ、まぁ言ってみればウルトラ・デジタル音源というところですか。興味ある方は一度試聴してみてください。病気の後遺症がまだ耳にあるボクには的確な判断が出来るとは思えないので、このコラムを読んでいただいている音楽ファンの試聴したご意見を伺いたいと思っています。

さて、「で、グーフィさんはどんなモンブランがお好きですか?」と訪ねられると、慣れ親しんだ日本版も今回のようなフランス風も甲乙つけがたいと言うのが本当のところ。“いい音”も同様でこれがボクのいい音と定義することは非常に難しいと思います。大好きなビートルズは大爆音で聴いてもラジオから流れてもやっぱり好きな音楽、“いい音”となってしまいますからね。

そして最後にそんなボクからひとつご提案。デジタル音源をイヤフォンやヘッドフォンで再生するだけではなくスピーカーから好きな音楽を流してみてください。きっと新しい音楽の楽しみ方が広がると思いますよ。ぜひお試しあれ。

※『Single Speaker』に関する感想・質問などがあれば下記アドレスまでドシドシどーぞ!
message@kyodoyokohama.co.jp  

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