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グーフィ森のSingle Speaker

プロフィール
1956年、京都府生まれ。大阪芸術大学卒業。雑誌「ポパイ」「ターザン」などの編集を手掛け、フリーランスのエディターとして活動。
その後、音楽・映像のプロデューサーとして様々なアーティスト(今井美樹・喜多郎・福山雅治など)、並びにイベント、商業施設、CM等を手掛ける。
また、MTV JAPANの創立時の総合プロデューサーでもある。
編集者の経験を活かした多角的な視野から構築されるプランニング&プロデュースで数多くの作品を送り出している。
2008年夏に脳幹出血により倒れ一線から身を引き、ただいまリハビリ奮闘中である。
そして自身がプロデュースするラジオ番組もオンエア中!番組詳細はこちら

2016-02-09
Single Speaker Vol.29 「アナログ世代の主張!?」 
テレビ三昧リポート第二弾です。
クルマのCMが増えてます。そして元気があります。さらに自称カーマニアのボクには嬉しいトピックスが…、海外メーカーのテレビCMがめちゃ増えてるんです。恐らく過去最高なんじゃないでしょうか。メルセデスベンツ、フォルクワーゲン、BMW、アウディと世界的に売り上げ好評なドイツ勢だけでなく、ジャガー、ローバーといった英国勢やプジョー(仏)、フィアット(伊)といったかつてテレビに登場することはあまりなかったメーカーのCMも目にすることが多くなりました。中国の企業に身売り(?)したスウェーデンのボルボも元気です。昭和の時代、外車と言えばアメ車でした。最近は輸入車の主軸から遠ざかっているって感じにありましたが、新聞やクルマ雑誌などの紙媒体を中心に広告露出が増えつつあり復活の兆しって感じですかね(フォードは日本を撤退しスリム化をはかるようですが)。そしてインターネットです。すべてのメジャーメーカーがウェブサイトに日本語のホームページを開設していているところをみても、世界各国のクルマが、グローバルレベルでの流通をより増加してきていることを実感します。
運転ができなくなってしまったことで、ここ何年かは今まで以上に強い引力でクルマに引き寄せられています(ないものねだりの一種かも)。これバイクや自転車も同様で、近年じゃ世界中の電動車イスのウェブサイトにさえちょくちょくお邪魔するようになってます(米国製スゴイのあります。まるでSF映画のようで見るとちょっとビックリしますよ)。こんな具合にのりもの好きは俄然加速してます!? いやいや、こんなことができるのもネットの恩恵なのかもしれませんねえ、ホントに。

話しをもとに戻しましょう。増えたと言えば海外家電のCMもえらく増えました。海外家電ブームの火付け役ともいえる英国製掃除機を筆頭に北欧メーカーものに台湾製にドイツ製、以前はまったくと言っていいほどテレビで目にすることのなかったオランダ製のキッチン家電のCMなんてのも登場しだしました。アメリカ製のロボット掃除機なんてのは、もはやそれを追従する日本メーカーのCMがいくつも登場しだすというポピュラーなものに。いやはや時代は変わりました。クルマや家電製品だけでなく目にするあらゆる商品のマーケットがこの数年で大きく変化してきたように思います。聞くとこういったマーケット等の変化は日本だけではなく、成長著しい新興国やアジアの列国では日本以上にその変化はむしろ顕著のようです。そしてまちがいなくその起爆剤となっているのはインターネットであり、その筆頭デバイスはスマホです。発信源はSNSなんです。ウ〜ン、やはり恐るべしネット。そしてスマホ!? 

間違っても全国区とは言えないローカルなショップやレストランで、東南アジアからの観光客が大挙押し寄せ大混乱、なんてニュースがあちらこちらで発生。そして大々的にプロモーションを行ったわけではないのに、海外からの観光客がぞくぞく押し寄せる日本各地の観光スポット等々、このパターンの珍現象は、そう、スマホ&SNSの仕業にまず間違いありません。日本人も知らない新たなスポットが続々誕生し、海外からのお客さんにも一層楽しんで帰ってもらうぶんにはありがたい話なのですが……。心配性のボクは、あれやこれやと考えてしまって、申し訳ないのですが手放しで喜べないところがあります。

ネット社会がポピュラーになったのは、1990年代後半です。そこから驚くようなスピードでネット環境は進化しましたよね。でも、ここ10年のスピードはちっと異常(?)です。周囲の誰よりも早くショルダーフォンを所有し、まだネット接続サービスが開始される前からMacと悪戦苦闘の日々を過ごしてきた“新しいもの好き”を自負するボクでさえ、ここ最近のネット社会の進化のスピードにはついて行けないどころか置いてきぼりにされることがしばしばあります!? 考えてみて下さい、1980年代なんてインターネットをやる人なんてほんの一握りの新しモノ好きくらいなもんだけだったんですから。21世紀に入ってネットがポピュラーになったと言っても、やはりその加速がグーンと増したのはスマホが登場したここ7・8年のことですから。ジイジもバアバも父さんも母さんもボクも私もと、誰もがスマホを手にする時代となってからのネット環境はまさにとんでもない進化のスピードです。スマホの躍進で、次から次へと便利なアプリが登場し、ますますスマホユーザーは増加するいっぽうです。ユーザーが増加すれば新たなアプリが開発され、またそのアプリが人気となり、またまた新たなユーザーを、と躍進のメビウスの輪状態です!?
このスマホ大躍進劇は当然グローバルレベルでの出来事です。スマホ&SNSのタッグは、一気に地球を小さくしてしまったかのようでした。そして“アラブの春”は起こりました。“IS”が世界中を震撼させています。ここで今一度ボクが再三再四言ってきたことを思い出して下さい。『手軽さはやがて希薄さへと向かう』……。ネット社会の拡大力・拡散力、そこで飛び交う幾多の情報。そのすべてが希薄さ、そして希薄さゆえの過激さへと繋がって行かぬよう、我らアナログ世代が、ちゃんと見届けなくちゃあいけないなぁ!

なんてことを三が日のテレビ三昧の中、頭を抱え考えていたのであります。 

※『Single Speaker』に関する感想・質問などがあれば下記アドレスまでドシドシどーぞ!
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